山形から宮城へ。妻と再訪「たかはし亭」で味わい、旅館大沼でまったりの旅
銀山温泉のノスタルジックな余韻に浸りながら迎えた、旅の二日目の朝。私たちは愛車のGLBに乗り込み、山形県に別れを告げ、奥羽山脈を越えて故郷・宮城県へと向かいました。
山々の緑が美しい峠道を、心地よいヂィーゼルエンジン音と共に駆け抜ける時間は、それ自体が旅の醍醐味。途中、スイカの名産地である尾花沢市に立ち寄り、瑞々しい小玉すいかを娘に送りました。
地球の神秘を体感。鳴子温泉の奥に潜む、エメラルドグリーンの絶景「潟沼」
東鳴子温泉「旅館大沼」で素晴らしい温泉と食事に癒された翌日、私たちはもう一つの自然の驚異に会うため、車を少し走らせてみることにしました。鳴子温泉街から山あいへ車で10分ほど。辿り着いたのは、神秘的な雰囲気に包まれたカルデラ湖、「潟沼(かたぬま)」です。
駐車場に車を停め、湖畔に立った瞬間、思わず息をのみました。目の前に広がるのは、今まで見たこともないような、鮮やかなエメラルドグリーンの湖面。硫黄の香りがほのかに漂い、ここが火山の恵みによって生まれた場所であることを物語っています。
潟沼は、日本でも有数の強酸性の湖で、その影響で魚などの生物はほとんど生息できないそうです。そのせいか、どこかこの世のものとは思えないような、静かで神秘的な空気が流れています。
驚くべきは、この湖の色。太陽の光の当たり方や天候によって、エメラルドグリーンから、スカイブルー、深い青色へとその表情を刻々と変えるのだとか。私たちが訪れた日は、幸運にも美しい緑色に輝いていましたが、違う日に来ればまた全く違う景色に出会えるのかもしれません。
湖の周りには遊歩道が整備されており、30分ほどで一周することができます。私たちはゆっくりと散策しながら、角度によって変わる湖の色や、周囲の木々の緑との美しいコントラストを楽しみました。
鳴子温泉郷のすぐ近くに、こんなにもダイナミックで美しい自然が広がっているとは、まさに嬉しい驚きでした。温泉の優しい癒しとはまた違う、地球の力強さを感じられる潟沼。鳴子を訪れた際には、ぜひ少しだけ足を延ばして、この神秘的な絶景に会いに行ってみてください。ドライブコースとしても最高のロケーションですよ。
東鳴子温泉 旅館大沼
8つの温泉と体に優しい食事。本物の湯治文化に触れる「旅館大沼」
銀山温泉の賑わいを後にし、私たちは次なる癒しを求めて、奥羽山脈を越えて宮城県・東鳴子温泉郷へと向かいました。一昨日のランチ「たかはし亭」のあとです。本日お世話になるのは、温泉好きの間でその名を知られる「旅館大沼」。決して大きな旅館ではありませんが、本物の温泉と心づくしのおもてなしが待つ、素晴らしい宿でした。
圧巻の湯めぐり体験!宿と森に点在する8つの温泉
この宿の最大の魅力は、なんといってもその多彩なお風呂です。館内には、大正時代から続く歴史ある「薬師千人風呂」をはじめ、趣の異なる貸切風呂が複数あり、宿にいるだけで本格的な湯めぐりが楽しめます。
そして、そのハイライトが、専用車で送迎していただく離れの露天風呂「母里(もり)の湯」です。
木々に囲まれた小高い丘の上にあり、目の前には空と森しかない、まさに天空の露天風呂。鳥のさえずりと風の音しか聞こえない静寂の中、手足を思い切り伸ばして浸かる温泉は、言葉を失うほどの開放感と心地よさです。日々の喧騒から完全に解き放たれる、最高の体験が待っていました。
Instagramのハイライトのリンクです。専用車で送迎していただく離れの露天風呂「母里(もり)の湯」の動画を見ることが出来ます。
【夕食】
この宿の夕食は、基本となる「一汁五菜」から、品数が増える「一汁七菜」「一汁八菜」「一汁九菜」まで、4つのコースから自分の体調や食欲に合わせて選ぶことができます。
私たちは今回、基本の「一汁五菜」コースを選びました。
運ばれてきたお膳の上には、地元の米、水、大豆にこだわり、その季節の旬の素材をふんだんに使った、彩りも美しい料理が並びます。コースによって品数が変わるという「八寸」も、季節を感じる丁寧な仕事が施された逸品ばかり。


派手さはありませんが、一品一品、素材の味が丁寧に引き出されており、滋味深い味わいが体に染み渡ります。多すぎず、少なすぎず。









なんといっても、最高なのが炊き立てのつや姫です。お櫃から立ち上るお米の香りの湯気が一番ご馳走でした。食べ疲れることなく、「ああ、美味しかった」と心から満足できる、まさに理想的な量の夕食でした。美味しいかったです




【朝食】
朝食もまた、素晴らしいバランスの和定食です。ふっくらと炊き上がったご飯に、焼き魚、出汁の効いたお味噌汁、そして丁寧に作られた小鉢の数々。オプションで玄米や五-穀米も選べるという、健康への配慮も嬉しいポイントです。
朝から2つの温泉に入り、目覚めた体に優しく染み渡るような、完璧な朝ごはん。最高の一日の始まりを約束してくれます。








「旅館大沼」は、ただ温泉に入るだけでなく、食事を通して、心と体をゆっくりと内側から整えていく…そんな現代の湯治文化に触れられる、素晴らしい宿でした。


鳴子温泉の〆はこれ!湯上がりに染みる「餅処 深瀬」の絶品栗だんご
旅館大沼を後にして、一路仙台へとなりますが、妻が買いたいものがあると言うので、鳴子温泉駅へGLBを走らせます。そうです、鳴子温泉郷を訪れた者が、温泉と共に必ずと言っていいほどその名を口にする名物があります。温泉街の中心部に店を構える、老舗「餅処 深瀬」の栗だんごです。
湯けむりが立ちのぼり、硫黄の香りが漂う温泉街。その風情ある街並みを散策していると、多くの人が吸い寄せられるように立ち寄る一軒が「深瀬」です。温泉で火照った体に、ここの甘じょっぱいお団子がたまらないのです。まじで美味しいです。わたしは二個食べました。残りは…。






お宿情報
店名 百年ゆ宿 旅館大沼
住所 〒989-6811 宮城県大崎市鳴子温泉字赤湯34
電話 0229-83-3052
HP 旅館大沼
備考
Sub Blog 写真中心のブログです。宜しければご覧下さい。