八月のうだるような暑さが続く、ある日の昼下がり。窓の外では蝉時雨が降り注ぎ、まとわりつくような湿気が思考まで鈍らせるようです。こうも太陽が照りつけると、正直、食欲も減退気味。「冷たい素麺でも茹でて済ませようか…」なんて、気力のない会話が食卓にのぼります。しかし、こんな時だからこそ、本当に美味しいもので体に活力を与えたい。夏バテした体に鞭を打って、キッチンに立って火を使うなんて考えただけでも億劫だ…。そんな私たち夫婦の頭に、まるで救いの手のように浮かぶのが、すっかりお気に入りになったあのお店の存在でした。
お食事処 伊達商店
私たちには、その時々の気分に寄り添ってくれる、お気に入りの食堂がいくつかあります。仙台市内にある「お食事処 向かったのは、今回で三度目の訪問となる「お食事処 伊達商店」。
初めて訪れた時の驚き、二度目に訪れた時の確信。何を頼んでも実直で、心から美味しいと思える料理が出てくるという絶対的な安心感が、夏の疲れた体と心には何よりのご馳走です。


妻が選んだのは、夏のメニューから「冷やしそばいなりセット」。まだ少しだけ残る夏の暑さを思いつつも、体を優しく温める「温かいお蕎麦」で注文しました。セルフで受け取りに聞くと、冷たいお蕎麦と、ふっくらと炊かれた濃い色のジューシーないなり寿司が二つ。まずはお蕎麦を一口。キリッとした冷たい蕎麦がこの時期の選択。お出汁が染みたお蕎麦は、心と体にじんわりと沁み渡るような美味しさです。そして、甘じょっぱいお揚げがたまらない、いなり寿司。この二つの組み合わせは、まさに日本の食堂の黄金律。妻も満足そうでした。



一方、私は過ぎゆゆく夏を追いかけるように、最後の最後まで楽しみたいと思っていた「冷やし担々麺大盛」と「ミニ肉そぼろごはん」を注文しました。この一杯は、彩りも鮮やか。冷たく締められた麺の上には、ピリ辛の肉味噌、シャキシャキのきゅうり、そして味の決め手となる濃厚なゴマのスープがたっぷりとかかっています。全体をよく混ぜて、一口。ゴマの濃厚なコクと香ばしさ、そして後から追いかけてくるラー油のピリッとした辛さがたまりません! 冷たい麺が、その濃厚なタレをしっかりと受け止め、きゅうりの爽やかさが絶妙なアクセントになっています。夢中で箸を進め、あっという間に完食してしまいました。





最後の夏を惜しむように冷たい麺を堪能する私。そんな対照的な私たちの願いを、どちらも完璧に叶えてくれる「伊達商店」。三度目の訪問も、やはり大満足の結果となりました。次に訪れる頃には、すっかり秋のメニューになっていることでしょう。また近いうちに、4回目の訪問を心に誓ったのでした。最後までお読み頂き有難うございました。
店名 お食事処 伊達商店
住所 宮城県宮城郡利府町神谷沢化粧坂49-1
電話 022-396-2161
営業時間 10:30~14:30
備考
カメラ



