8月の東京。うだるような暑さとは、まさにこのこと。アスファルトの照り返しが眩しく、少し歩くだけでじわりと汗が滲み出てきます。そんな厳しい夏の真っ只中での出張でしたが、幸いにも、午後の大切な仕事まで少しだけ時間に余裕ができました。この暑さの中、ただ慌ただしくランチを済ませるのではなく、涼やかで洗練された空間で、一度ゆっくりと心と体をリセットしたい。そう思った時、私には最高の答えがありました。東京駅に隣接するデパートの中、都会の喧騒と猛暑を忘れさせてくれる、あのお店へ向かうことにしたのです。
ブラッスリー ポール・ボキューズ 大丸東京
エレベーターで涼しい店内を上がっていく時間も、これから始まる美味しい時間へのプロローグ。さあ、午後の仕事に向けて、最高の英気を養うことにしましょう。
東京駅でのランチ、一度その美味しさと居心地の良さを知ってしまうと、また必ず訪れたくなるお店があります。それが、大丸東京12階の「ブラッスリー ポール・ボキューズ」。先日、その信頼を裏切らない味を求めて、再びランチに伺いました。


今回も、前菜・メイン・デザートを選べるランチコース「MENU DÉJEUNER A」を。前回とは違う組み合わせで、今の季節ならではの味覚を堪能することにしました。


前菜:高知県産四万十ポークのパテ・ド・カンパーニュ
まず運ばれてきたのは、厚切りで存在感のあるパテ・ド・カンパーニュ。一口食べると、四万十ポークの濃厚な旨みと肉々しい食感が口いっぱいに広がります。添えられた新鮮なサラダと、ピクルスの酸味が、パテの力強い味わいを爽やかに引き立ててくれる、まさにフランスのブラッスリーの王道ともいえる一皿でした。

メインディッシュ:カナダ産豚フィレのピカタ 季節野菜のバイヤルディ
メインディッシュは、見た目にも美しい一皿。主役の豚フィレ肉は、驚くほど柔らかく、しっとりと仕上げられています。そして、その隣に添えられた季節野菜の「バイヤルディ」の美しいこと!ズッキーニやナスなどの野菜が薄切りにされ、丁寧に重ねられています。フレッシュなトマトのソースが、豚肉の優しい甘みと野菜本来の味わいを完璧にまとめ上げ、それぞれの食材の良さが際立つ、見事な一皿でした。

デザート:福島県産 桃のピーチメルバ
デザートは、旬の桃を贅沢に使った「ピーチメルバ」。
コンポートされた福島県産の桃は、とろけるように甘く、芳醇な香りを放っています。なめらかなバニラアイスクリームと、甘酸っぱいフランボワーズソースとの“マリアージュ(結婚)”は、まさに至福の味わい。最後まで季節感を存分に楽しませてくれる、エレガントな締めくくりでした。

美しいデザートの余韻に浸っていると、食後のコーヒーが運ばれてきました。白く美しいカップから立ちのぼる、豊かな香り。一口含むと、しっかりとした深いコクと心地よい苦味が、桃のデザートの甘みをすっきりと洗い流してくれます。

前回とは全く違うメニューを選びましたが、そこには変わらない感動と満足感がありました。どの皿にも、素材へのこだわりと、ポール・ボキューズ氏から受け継がれるエスプリが息づいています。
訪れるたびに新しい美味しさに出会える「ブラッスリー ポール・ボキューズ」。やはり、東京駅でのランチ選びにおいて、私の中で不動の存在です。ご馳走さまでした。
店名 ブラッスリー ポール・ボキューズ 大丸東京
住所 〒100-0005 東京都千代田区丸の内1丁目9−1 大丸東京店 12F
電話番号 03-5218-2211
定休日 不定休
営業時間 11時00分~22時00分
備考
